刑務作業でプログラム開発

別に Ruby じゃなくてもいいと思う。

今年5月、当時開所前だった日本初のPFI刑務所「美祢社会復帰促進センター」の刑務作業として、Rubyを用いたソフトウェア開発が行われるという発表があった。あれから半年、実際はといえば……。

「刑務作業でRuby」はどうなったのか――秋の夜の幻 - ITmedia エンタープライズ

私自身、製造業の製造出身ですが、インストールなしでデフォルトで Ruby の動作する環境にめぐり合ったことはほとんどありません。
個人的な偏見かもしれませんが、受刑者は手に職を付けて製造業で復帰できるように刑務作業を行っていくというイメージがありますし、映画のようなサイバーテロを素でやってのけるような天才的ハッカーが犯人というケースは少ないと思います。

私のいる製造現場で唯一動作する LL があったわけで、それが awk でした。
私が使う製造装置は全世界で 3 社 (正確には 4 社?) しか製造していない装置ですが、15 年前から全てでデフォルトで使えるのは awk だけでした。
逆にそれを使えたため、一気にデータ加工の効率を上げたのかもしれません。

つい先日、やはり製造がメインの人が awk を使っていて、いろいろ聞いてみると、覚える命令が少ないだけでも製造の人には嬉しいらしいです。
だって、それが仕事じゃないわけですから。(かといって Brainf*ck が良い分けではない)

別の製造の女性も、これなら分かるかもしれないと言ってくれています。
C ライクな文法はそれなりに分かりやすいそうです。

NHK の教育番組で「100語でスタート!英会話」というものがあって人気らしいけど、やはり覚えることが少ないのはメリットになります。
だって、英会話が仕事じゃないわけですから。

それでも Ruby ということは、本物のプログラマを育てようとしているということなのでしょう。

東芝半導体部門はデジタル家電向けにCellを普及させる目論見を持っているが,「せっかくCellのような高速なマイクロプロセサを組み込み機器で使うのであれば,Rubyのような開発効率の高い言語を使って,ソフトウエア開発の作業自体を楽しいものにしたい。そういう思いから今回,開発言語として Rubyを採用した」

【CEATEC続報】CellでRubyを動かす,東芝が家電向けUIを試作 | 日経 xTECH(クロステック)

白物家電はもっと難しいかも。

子「かぁちゃん、この炊飯ジャー、セルにルビーで動くんだぜ!」
母「また、ドラゴンボールかい? つまんないこと言ってないで、早く学校にお行き」
母「ったく、おとうさんもおとうさんですよ、分けの分からないこと教えて」
父「・・・」

多分、このあたりのギャップが今後の LL Conference の人員確保に影響するんだと思っています。
プログラマにとって簡単とか凄いというのは、おおむね、一般人には全然簡単でもないし、凄くもないわけです。